事業管理者ごあいさつ

事業管理者 成瀬 達

 みよし市民病院は、みなさんに良い医療を安全に提供するために、日々、努力しています。病院事業管理者の仕事は、病院の職員がその能力を最大限、発揮できるように病院の機能を整備することです。医療は絶えず進歩しており、病院も医療の進歩を取り入れて、改革していく必要があります。院長がとりまとめた病院を良くするプランを、市民のみなさんに説明して、理解していただくことが私の仕事です。同時に、みなさんの声を病院に伝えて、病院の運営を改善することも大事です。病院の玄関や病棟にある「ご意見箱」に、遠慮なくご提言を寄せてください。

 良い医療を提供するためには、良い医師と看護師が必要です。平成26年に「医療介護総合確保推進法」が成立しましたが、医師や看護師が足らない状況は簡単には解決しません。当院でも綱渡りの状況が続いています。大学から応援の医師に来ていただいていますが、学会などで休診になることもあります。どうぞご理解ください。

 平均寿命は男女とも80歳を越え、人生90年の時代になりました。健康に老いる人も増えており、定年イコール引退ではなくなりました。自分のやりたい事を、やれる時を選んで、働き続けるという選択肢も生まれてきました。一方、高齢化と共に、認知症になる人の割合が増えており、85歳以上の4人に1人が認知症であるとされています。未来の医学はこの問題にも答えを見つけてくれるでしょう。それまでは、健康によい生活習慣を実践し、高血圧や糖尿病などの慢性疾患をうまく管理して、不健康な期間を短くする努力が必要です。市民病院の医師、看護師、理学療法士、管理栄養士のチームが、健診の時や、地域に出向いて健康寿命を延ばす方法を伝授しています。是非ご活用ください。

 病気になった時、どんな医療が要るか?同じ病気でも、みなさんの年齢や人生観、その時の身体能力や認知能、支える家族の状況により、答えは一人、一人、違います。年をとると、病院での治療が終われば、すぐに日常生活に戻れるとは限りません。市民病院には命を救う急性期病床、回復期のリハビリテーションを行う地域包括ケア病床、慢性期の医療とリハビリテーションを行う療養病床があります。安心して自宅に戻れるように、地域連携室・医療相談室の保健師と社会福祉士がみなさんのご希望を伺い、退院の支援を行います。今年から「みなよし地区地域包括支援センター」が院内に併設され、退院後の介護サービスなど、自宅での生活を支援する体制も整いました。通院が困難な場合には、在宅医療科と併設のみよし市訪問看護ステーションによる訪問診療と看護を受けることが可能です。みなさんが住み慣れた家で、人生の最後まで安心して暮らせるように、職員一同、努力しています。ご支援をお願いします。

院長ごあいさつ

院長 伊藤 治

みよし市民病院のホームページにお立ち寄り頂き誠にありがとうございます。

初めに、当院では新型コロナウイルス院内感染予防の目的で入院患者さまの面会制限を継続しています。ご家族の皆さまには大変な我慢を強いていること、ご不便をおかけしていることに陳謝致します。社会情勢はコロナ共存・行動制限撤廃の方向に向かっていますが、重症化リスクの高い方々を預かる医療機関はゼロコロナ体制を維持せざるを得ない状況に変わりありません。何卒、ご理解いただきたく存じます。

当院はみよし市内で急性期医療に対応する唯一の医療機関であり、急性期、回復期、慢性期病床を併せ持つケアミックス病院です。また高齢化に伴う通院困難者の増加に対応するため院内に訪問看護ステーションを併設し、機能強化型(連携型)在宅療養支援病院として在宅診療に力を入れています。さらに公立病院の特性を生かし院内に地域包括支援センターを併設、院内で介護系行政サービスと連携できる体制を整え地域の医療介護連携の拠点となる事を目指しています。

当院の所属する西三河北部医療圏(豊田市、みよし市)において今後当院が果たすべき役割としては、①限られた病院規模の中で2次救急に対応できる内科、整形外科領域を中心とした急性期医療②みよし地区のクリニック・診療所との連携を強化し当院の検査・健診機能を共同利用できる環境を提供③高度急性期病院との連携を強化し、みよし地区に戻る患者さんの回復期~在宅医療をスムーズに提供、と考えています。医療圏内で当院の役割を明確化しその機能を高めていく事が、医療資源の無駄を省き、地域の皆さまに必要な医療を適切に提供できる体制を構築することに繋がります。当院は地域連携室のスタッフを増員することで病院間の病病連携、診療所・クリニックとの病診連携を強化充実させ、例えば当院の病床利用状況を連携病院と共有できる体制を構築することや、在宅診療を行っているクリニックの後方支援として急変時の受け入れやレスパイト入院に対応することで、当院の役割を果たし地域に貢献できるよう努めてまいります。また公立病院の責務として市内でコロナ感染患者の唯一の入院医療機関としての役割を果たしていますが、当院の規模では夜間・休日の救急対応が困難であるのが現状です。今後も対応に制限はありますが身近にかかれる急性期病院として、また住み慣れた地域での回復期、慢性期医療、在宅医療を提供する病院として、病院の持てる機能をフルに活かし地域に必要とされる病院となるようスタッフ一同努めてまいります。何卒よろしくお願い申し上げます。

2022年11月  みよし市民病院
院長   伊藤 治